巻 頭 言 「遅速三態」 会長 吉永 馨 生あるものは必ず死を迎えます。万物の霊長たるヒトも例外ではありません。 ヒトが死ぬ時、その経過に早い遅いがあります。急に死ぬのがいわゆるピンピン コロリです。経過が数年に及ぶのが長患い、その中間が数カ月病んで亡くなる形 です。 多くの人は急死を望みます。苦しむ期間がほとんどなく、桜が散るように未練 なく、潔く死にたいと思うのでしょう。ガンは苦しいので嫌われ、恐れられます。 しかし、最も嫌なのは長患いです。下の世話になったりして生きるのはみじめで、 しかも家族や周囲に迷惑をかけるからです。 以上が一般的、標準的な考えですが、実態はかなり異なります。急死は心筋梗 塞や脳卒中、または交通事故などで発生します。本人も残念でしょうし、 家族は困惑し、悲しみます。医師から見ますと、一番悪い死に方です。しかし幸 い、こういう死に方が一番少ないのです。 ガンは最近、よい死に方だという人が増えてきました。急死や長患いよりいい というのです。後の始末もできるし、家族にお礼を言う余裕もあります。何かで 死ぬならガンがいい、という考えです。 長患いも悪くないという人も増えてきました。介護施設や療養病棟などで長年 お世話をしてきた人はそう考えるようです。下の世話になっても、みじめだなど とは思わないし、体は不自由でも痛みや苦しみはありません。上げ膳据え膳で殿 様のような待遇です。 皆様はどれがいいですか。どれも嫌ですね。死にたくないのですから。しかし 何かで死ななければなりません。それなら、いっそ、どれでもいいやと思うとい いのではないでしょうか。みんな一長一短ですから。どれがいいと言ってみても、 その通りにはなりません。自分では選べないのです。私はどれでもいいと考えた いのです。そうすると死の恐れが軽減し、却って長生きすると思うのです。 |
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◆「在宅ホスピスボランティア養成講座」 リポート @在宅ホスピスについて 講師 鈴木雅夫氏 A在宅ホスピスにおける看護の実際 講師 内海純子氏 B当院でのこれまでのボランティア活 動を通してー講義と意見交換 ◆「在宅ホスピスボランティア養成講座」 受講生の感想アンケートより ◆随想「 小笠原義道氏 |
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