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「在宅ホスピスボランティア養成講座」

 A 在宅ホスピスにおける看護の実際
   講 師 : 内 海 純 子 さん
         
岡部医院訪問看護師

   「在宅ホスピス看護の実際」


    2007年度、当院では261名の患者様を看取らせていただきました。
   そのうち、8割ががんの患者様で、平均2ヶ月半在宅で過ごされました。
   私たちが訪問している患者様の多くは、残念ながら病気そのものを治す、
   ということが困難になってきた方です。しかし、痛みやその他の症状を
   和らげるという治療はまだ残っています。私たちは、患者様の「安心し
   て自分の家で療養したい」「人生の最後を自分の家で自分らしく過ごし
   たい」という思いをかなえるため、日々お手伝いさせていただいていま
   す。

    在宅でも、病院で日常的に行われている看護処置は大部分行うことが
   できます。しかし、病院で行うことをそのまま在宅に持ち込むというこ
   とではありません。在宅では、患者様やご家族が生活する背景に、医療
   者が入り込みます。患者様やご家族は、それぞれ自分たちのペースで生
   活をしています。中には、自分たちの時間を大切にしたいので、医療者
   の頻繁な介入を望まない方もいます。在宅では、必要な医療処置をきち
   んと提供しつつ、患者様やご家族のペースにできるだけあわせた対応が
   必要です。

    基本的に看護師は一人で訪問します。24時間のうち、私たちが介入
   するのは平均1時間前後です。限られた時間の中で、看護師はきちんと
   状態を判断し、適切に処置、説明を行わなければなりません。病院では、
   医療処置は医師や看護師が行いますが、在宅では、ご家族が主体となり、
   医療処置などでも行っていただくことがあります。患者様とご家族が落
   ちついて対応できるように、充分に話し合いを持つ事が大切です。

    当院で在宅療養された患者様を振り返ると、患者様自身が「家で過ご
   したい」と思い、家で趣味や外出などを最後まで満喫された症例や、ご
   家族が「家で私たちが看取ろう」と決意され、穏やかな最後を迎えられ
   た症例は、「家に帰ってきて良かった」とご家族も医療者側も感じるこ
   とができます。しかし、患者様やご家族が「病院から出された」という
   思いが強く、最後まで不安や精神的苦痛を抱えたままだった症例につい
   ては、ご家族や医療者側にも辛さばかりが残り、果たして本当に在宅で
   良かったのか、と思うこともあります。私たちは、今後、在宅療養の継
   続が困難だった症例について、もっとよく検討し、何が問題だったかを
   見極め、これから在宅療養を行おうとしている患者様、ご家族の不安を
   できるだけ取り除いていけるよう問題を解決していかなければなりませ
   ん。

    当院では、医師、看護師の他、ヘルパー、作業療法士、鍼灸師など様
   々な職種のスタッフで、患者様、ご家族を中心としたチームケアを行っ
   ています。それぞれが専門性を持った目で、患者様とご家族に今一番何
   が必要かを見極めていくことが求められます。

    私たちはこれからも、患者様とご家族に多くのことを学ばせていただ
   きたいと思います。




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リーフレットはこちらから ダウンロードできます↓
遺族の会 ふれあい
ホスピス 110番
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仙台ターミナルケアを考える会