沿 革   
 
  会 則   
 
  役 員   
 
 生と死のセミナー
 
  会 報   
 
  出前講座/その他
 在宅療養Q&A
 
  お知らせ  
 
   リンク    
    青少年のためのターミナルケアに関する出前講座

         「命と心の授業」
  
        ― 命には最期まで心がある ―
 

    平成27年度も「命と心の授業」を実施しました。

     昨年に引き続き増田中学校やみどり台中学校、聖和学園高等学校での実施、そ
    して新たに名取市立相互台小学校でも実施することが出来ました。
    参加した生徒の皆さんや地域の方々が、グループワークを通して命の大切さや親
    への感謝を考える有意義な時間を持つことができました。

     中学生の講座は、妊婦疑似体験や高齢者疑似体験やグループワークによって、
    家族や周囲の人たちからの愛情を感じ、自分がかけがえのない存在であることを
    意識させるとともに、高齢者への尊敬とホスピタリティマインドを育成し、命へ
    の慈しみやこれからの人生の生き方を見つめ直す機会となるように企画しました。


       「ワールドカフェ方式」の導入により、より多くの地域サポーターと生徒がふ
    れあいを持つ機会が増え、前の訪問者の意見を見ることで、自分の考えに発展性
    を持たせることが出来るように工夫しました。

     普段の授業では取り上げられないことを学べたという充実感と感謝の気持ちを、
    多くの生徒がアンケートの中で表現していることは、この講座が彼らの心に大き
    な
変化をもたらし、これからの成長の糧になっていくものと感じました。


講座名

日 程

目的・授業内容

講  師

会場・人数

ココロ
ふれあい
講座

 

平成27
10 2日
  (金)

チャレンジ!クレイアート
「泥んこ遊び」的授業で、大人へ成長する過程の生徒の抑制を軽減して次回授業への心理的基盤を作る

武田 堆雄 氏
名取市
教育委員長

名取市立
みどり台
中学校

3年生181
スタッフ9
支援者50

 

平成27
11 6
  (金)

「こんにちは!赤ちゃん」
−未来の親となるあなたへ−父性・母性を育み、家族への感謝や命をつなぐ大切さを意識させる
親の学びのプログラム

高橋 ひろみ 氏
当会役員
仙台幼児保育専門学校非常勤講師

平成27
1113
  (金)

「浦島太郎の気持ち」
(高齢者疑似体験プログラム
高齢者の心と体の理解とホスピタリティマインドの育成

石上 節子 氏
当会役員
元東北大学病院
看護師長

「命を考える」
−命には最期まで心がある−
緩和ケアの話から、命のはかなさ大切さ、生きていることへの感謝を意識させる

小笠原 鉄郎 氏
当会役員
東北労災病院
緩和ケア内科
部長

命の
バトン

ふれあい
講座

平成27
 624
  (火)

「自分らしく尊厳をもって生きる」
支援者のための事前講座
命の尊厳や終末医療に関しての情報提供と命の授業支援者としての心得に関する講話

石上 節子 氏
当会役員
元東北大学病院
看護師長

名取市
増田
公民館

参加者40
スタッフ2

平成27
 7 7
  (火)

「こんにちは!赤ちゃん」
−未来の親となるあなたへ−
父性・母性を育み、家族への感謝や命をつなぐ大切さを意識させる
親の学びのプログラム

高橋 ひろみ 氏
当会役員
仙台幼児保育専門学校非常勤講師

名取市立
増田
中学校
1年生240
スタッフ5
支援者30

平成27
 7 9
  (木)

「浦島太郎の気持ち」
(高齢者疑似体験プログラム
高齢者の心と体の理解とホスピタリティマインドの育成

石上 節子 氏
当会役員
元東北大学病院
看護師長
名取市立
増田
中学校
3年生180
スタッフ5
支援者30

「命を考える」
−命には最期まで心がある−
緩和ケアの話から、命のはかなさ大切さ、生きていることへの感謝を意識させる

橋 通規 氏
当会役員
仙台医療センター 緩和ケア内科医長


生徒へのアンケートの感想より抜粋

・受験勉強でいやになっていた時期だったが、こうした活動でまた頑張ろうと思えるきっかけ
 にな
った、ありがとうございました。

・自分のことについて振り返ることができた。死はまだ先のことだけど深く考えることができた。

・お母さんが苦労して自分を産んでくれたんだと改めて思った。普段話ができない地域の人と
 体験
を通して話が出来て良かった。

・この授業を通して、自分の気持ちに正直になることの大切さや与えられた命を精一杯生きる
 こと
が一番大切なんだと改めて感じることができた。僕たちのために平日の忙しい中講座を
 開いてい
ただきありがとうございました。

・体験から、新しい命が生まれた嬉しさ、そして周りの人の温かさを学べた。人生はいろんな
 こと
があると思うけど、年をとっても楽しく過ごせたらいいなと改めて思った。色々な事を
 教えて下
さりありがとうございました。

・身近なもので疑似体験できたことで大変さがわかった。自分の生活の中で周りの人の気持ち
 も考
えて常に意識して、この経験を活かせたら良いなと思います。

・実際に体験したり話を聞いたりすることで、仲間と協力したり自分一人一人が考える場とな
 った
と思います。サポーターの皆さんが一生懸命すてきな場を作ろうとしていたのが印象に
 残ってい
ます。私もそれにお答えでき、しっかりと話を聞けたことが良かったです。来年や
 る際も生徒一
人一人が関心を持てる場を作ってあげて下さい。

・自分の過去や未来としっかり向き合うことができました。

・赤ちゃんはどんな風に成長してどんなふうに家族が支えてくれるのか、高齢者はどんな気持
 ちで
私たちと接してくれているのかなどたくさんのことを知れて良かったです。

・生きることの大切さ、死ぬことの恐怖、人は色々な事を考え、感じ生きていくのだと思いま
 した。

・グループワークでは、いろんな人と意見を発表し合い楽しかったです、地域の人とのお話も
 どれ
も面白く、ためになる話をたくさん聞かせてもらえたので良かったです。

・最初は何のためにやるんだろうと思っていたけど、誰もが生きていく上で経験する大切なこ
 とを
学ぶことができました。

・楽しいだけでなく、様々な体験をし、考えるようになりました。

・わざわざお時間を作ってくれてありがとうございました。

・今まで、人が生まれて死ぬまでについて考えてみたことはありましたが、体験学習を交えて
 考え
てみるのは初めてだったので、前より実感がわいて身近に感じることができました。

・受験の時期ではなく、1・2年生でやってほしかった。

・グループを回ることで、あまりしゃべらない人とでも皆で色々考えたりできて、絆が深まっ
 たよ
うな気がしました。

・本当にいろいろな体験が出来て楽しかったです。もうふれあい講座は終わってしまったけれ
 ど
大人になってもこれを活かして生活していきたいです。

・「ホスピタリティマインド」の講話で感じたのは、人間の命の大切さと重さの話を聞いて
 最初は
理解できなかったけど、聞いているうちに引き込まれて色々考えました。そして今後
 も命のこと
について考えてみようと思いました。

・地域の方々からたくさんのことを教えていただいて、ありがたいと思いました。

・実際に体験出来て、もっとお年寄りをいたわって、理解しようと思えるようになりました。

 

 小学生の講座は、今年度初めて取り組みました。5年生には、自分の身近な大切な人の残さ
れた時間に向き合い、何をしてあげられるか、どのように支えるかを考えさせました。6年生
には、小学校卒業という人生の節目に当たり、自分への尊厳を見つめ直し、大切な人へのメッ
セージを手紙という形で残しました。

 5年生は、最初は大切な人に対して自分が何をしてあげられるかということが中心で、相手
がどのような気持ちでいるかを思いはせることは出来ませんでしたが、授業を受けることで、
その人が感じているであろう痛みや不安、悲しみを想像できるようになり、心が大きく揺り動
かされた様子がみられました。残された最期の時間を愛おしく思う感覚と、大切な人がどのよ
うに生きたいと願っているかを考えるようになったことが、人を思いやる心の成長につながっ
たと感じました。

講座名

日 程

目的・授業内容

講  師

会場・人数

命と心の
授業

 
平成27
1127
  (金)

「いのちと向き合う看護」
        (講話)
「リンドウの花」

大切な人の最期に残された時間に自分は何をしてあげられるかを考える

石上 節子 氏
当会役員
元東北大学病院
看護師長

名取市立
相互台
小学校
5学年48
スタッフ3

 平成28
218
  (木)
「いのちと向き合う看護」
        (講話)
「大切な人に手紙を書こう」

これまで頑張ってきたこと、大切にしてきたこと、達成できたことなどを自分の中で振り返り、自分の伝えたいことを言葉にして表現し、大切な人へのメッセージとして残す
ディグニティ(尊厳)セラピー
名取市立
相互台
小学校
6学年33
スタッフ2




 高校生の授業は、「リンドウの花」という教材を使い、自分の身近な大切な人の残された時
間に向き合い、何をしてあげられるか、どのように支えるかを考えることを目標として実施さ
れました。

生徒が事前に教材を読んで感じたことは、大切な人に対して自分が何をしてあげられるかと
いうことが中心で、相手がどのような気持ちでいるかに思いはせることは出来ませんでした。
しかし、授業を受けることで、その人が何を大切にして生きてきたか、残された時間に何を望
んでいるかを感じ取り、その為に自分が出来ることを熟考し、寄り添うことの大切さを思い、
生きることそのものを愛おしく感じるようになったようです。また、「死」に対するプラスの
面を考えられるようになったとの感想もありました。

リンドウの花は、健康と長寿を願う花として敬老の日に贈られることも多く、「あなたの悲
しみに寄り添う」「悲しんでいるときのあなたを愛する」という花言葉もあります。一本一本
凛として咲いている健気な姿がその所以だと言われています。死に備え、自分が自分らしく最
期の選択をすることは、その立ち姿に似ているような気がします。

将来看護師をめざす生徒たちということで、職業への理解が目的ではありましたが、授業に
対する姿勢もしっかりしており、真剣に取り組む姿が見られました。今回の授業が彼らの心の
中に将来への貴重な核を作ったのではないかと感じました。


講座名

日 程

目的・授業内容

講  師

会場・人数

命と心の
授業

 

平成28
311
  (火)

「いのちと向き合う看護」
        (講話)
「リンドウの花」

大切な人の最期に残された時間に自分は何をしてあげられるかを考える

石上 節子 氏
当会役員
元東北大学病院
看護師長

聖和学園高校
薬師堂キャンパス
特別教室


進学系の2学年の中の看護系生徒14

スタッフ4

 
「死に備える」
−ターミナルケアと宗教−
死に備えることの意味や終末期において死への不安や苦痛を和らげる心のケアの取り組みを学ぶ
吉永 馨 氏
当会会長
東北大学名誉教授

聖和学園高校「命と心の授業」 アンケートより抜粋

 

・一つの命の周囲には、多くの命が関わっているという事に気づかされた。

・今まで死や病気について考えることがありませんでした。でも今日の講座を聞いて、看護

 師って本当に大変な仕事だと思うけどとてもすてきな仕事だと思うし、看護師になりたい
 
と思う気持ちが強くなりました。すごく貴重な講座でした。ありがとうございました。

・貴重なお話ありがとうございました。高校生の私たちで考えていける医療や看護をもっと
 広げてほしいです。活動頑張って下さい。

・今はあまり「死」という言葉に対してピンとこないところもありますが、いずれ老後を迎
 えるのでその時のためにもしっかり考えようと思いました。そして何より看護師を目指し
 ている自分にとってとても為になりました。ありがとうございました。

・生きるとは何か、死ぬとは何かを考えさせられた授業でした。ただ長く生きることが幸せ
 とは限らない、生きている時の質が大切で、私も一日一日を大切に過ごし、将来看護師に

 なった時、患者さんの「生きる」の支えになれればいいと思いました。

・生と死について大切なことを教えていただき本当にありがとうございました。自分の最期
 の瞬間に自分で満足できるように、今を一生懸命生きていこうと感じました。私は、一人
 でもたくさんの人を救えるような人間になりたいです。

・命と向き合って、死について改めて考えることができて良かったです。

・「命と向き合う看護」では、人の命にはやはり限りがあり、最期の限られた時間をどう過
 ごすかによって変わってくる部分もあるのかなと思いました。また、その人に寄り添った
 
り思い出を作るというのはとても大切なことだとわかりました。「死に備える」では、死
 から逃げるのではなく、しっかり向き合うことが大切であるのだとわかりました。

・講話では、いろいろと考えさせられることがたくさんありました。本当に大切なことは、
 治療を永遠に続けて生かせるのではなく、患者本人の意思に沿って、尊厳死などを望む場
 合にはそうさせてあげることも考えなければならないのだと感じました。この貴重な体験
 を活かし、これから看護師を目指していきたいと思いました。

・「命と向き合う看護」「リンドウの花」「死に備える」の講話で教えていただいたことす
 べ
てを普段生活していく中で常に考えるというのはなかなか難しいが、こういう機会を設
 け
ていただいてお話を聞くというのはとても貴重な出来事でした。改めて医療についての
 幅
広さを実感するとともに、一つ一つの問題に耳を傾けることが大切なのだと思いました。





                             戻 る
リーフレットはこちらから ダウンロードできます↓
遺族の会 ふれあい
ホスピス 110番
仙台ターミナルケアを考える会