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        平成23年度「生と死のセミナー」

   「支え合い活動(ホッとサロン)」


             北川 禮子 氏


 
 石巻ホッとサロンは「石巻地区在宅ホスピスケア連絡会」という組織の中で、がん患者さんとその家族を支え、一人でも多くの方々の在宅での闘病生活を共に寄り添い、その人の日常生活がより豊かなものになれるようにとの願いから、地域住民のボランティアで開設することになりました。開設して7年になり、その間に多くの方々に利用して頂き、一人ひとりの「命の物語」を聞くことができました。現在は15〜16名の方々が毎回訪れるようになっています。残念なことに、この度の震災により、市立病院と東松島のホッとサロンは当分の間お休みを頂いておりますが、その分何らかの形でホッとサロンの役割を果たして行けたらと思っております。
 石巻地区在宅ホスピスケア連絡会は平成15年12月に結成され、メンバーは、医師、薬剤師、看護師、がん患者とその家族、市民、介護関係者、行政関係者で組織され、その活動は石巻地区における在宅ホスピスケア提供の為の体制づくりや関係者の育成、啓発、普及を目的として結成されました。事務局は、宮城県東部保健事務所成人高齢班となっています。

 ホッとサロンは平成17年2月、事務局との話し合いの中で具体的に相談窓口ができることで、直接患者さんやその家族の方々の思いに耳を傾けることが、この活動の意味があるのではないかということになり開設するに至りました。場所の確保に苦慮しましたが、現在は民家で、毎週木曜日、昼食を共にしながらゆったりとした時間を過ごしています。

 患者さんは病院で語られる言葉ひとつひとつを受けとめながら不安と戸惑いの日々を送り、家族は本人に対して、どのような接し方をしたら良いのか迷い悩みます。そうした方々に私達は共に寄り添い、共感しながら、その方の表情や言葉から内面を読み取り思いを大切にしようと心掛けています。ある人は、自分の思いを話すことで情緒が安定し、少しずつ冷静になって帰られ、再度訪れることで生きる目的が見つかる人もいます。こうした方々にとっては時間がとても大切で、時間の経過と共に人は与えられた苦しみを受け入れ、そして自分のこととして向き合えるようになって行くようです。その時が来るまで、待つことが大切な時間となり、それぞれの立場で自分自身の闘いとなるのです。そうした時に、傍らで家族とは違う信頼できる人が寄り添うことに大きな意味があると思っています。やがて冷静になった時に周りの状況を受け入れられるようになり感謝の言葉が聞かれるようになるのです。

 「ホッとサロン」には行政を通して研修医の方や看護学生の方も来て頂いています。こうした事も皆さんにとっては大きな刺激となり元気を頂いています。そして医療者にとりましても患者さんの生の声を聞くことができて、参考になると話して頂けます。これからも地域の方々の退院後の日常生活が普通に、その人らしく生きていける環境づくりのお手伝いができればと思っています。

 それは、居ごこちの良い場所づくり(空間・雰囲気)・一人ひとりの思いの実現(自己発揮)・食生活の支援(食事の大切さを伝える)・人との出会い(いろいろな立場の人と)・イベントの催し(参加しての喜び)・地域の人々の理解。以上の事を心掛け、更に患者さんや家族の人達が支援者となり、誰かを支えることで自分の道を歩んでほしいと願っています。まだまだ震災の苦しみや悲しみが消えませんが、「ホッとサロン」が在る意味を皆さんで確認しながら前を向いて手を取り合って生きていこうと思っています。




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リーフレットはこちらから ダウンロードできます↓
遺族の会 ふれあい
ホスピス 110番
仙台ターミナルケアを考える会