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        平成23年度「生と死のセミナー」

    「終末期患者さんの心のケア」
 

             小澤 竹俊 氏


 
1 人材育成の大切さ

 めぐみ在宅クリニックの理念は、どこで生活していても、どんな病気でも、安心して最期を迎えられる社会を目指す です。仲間を増やしたい。小中高ではいのちの授業をしています。20-30年後の人を育てたいのです。

2 終末期の自然経過

 死への自然経過は成長過程(離乳、睡眠、歩行)の逆をたどるのです。食事は何割?、昼間起きている時間は、トイレはと聞く。それで予後がわかります。

3 援助モデル

1)相手の苦しみをキャッチする。

2)相手の支えをキャッチする。どんな支えがあるだろうか。

3)どうしたら支えを強めるかを知り実践していく。

4)支えようとする私たちの支えを知る。

 苦しむ人を100%理解することはできない。相手を理解したと思ったとき人は話を聴かなくなるのです。大事なことは私があなたを知るということではない。苦しんでいる人が分かってくれたと思うこと。援助的コミュニケーションの原理。苦しんでいる人のサインを言葉に代えて相手に返す。「反復」です。苦しんでいる人が自分のつらい気持ちを相手に分かってもらえたと思えたときに思わず出てしまう言葉「そうなんです!」このキーワードがでたらOK!悩み苦しみをたった一人でいい。分かってくれる人いたらきっと世の中は違って見えるでしょう。どんな人が分かってくれる人か、それは説明ではなく聴いてくれる人。資格はあえていらない。

 苦しみとは希望と現実の開きです。緩和ケアのエッセンスは解決が困難な苦しみを抱えながら人が今を強く穏やかに生きるための援助です。肉体の痛みを和らげること。そこをおさえた上でスピリチュアルな痛み。自己の存在と意味の消滅から生ずる苦痛。なんでこの私が、今この病気にならなくてはならないのか。教えて下さいと。でも答えられない。私たちは答えたくなるんですね。力になりたいんです。その気持ちがあるがあまり答えることのできない問いに思わず答えてしまうんですね。どんなに医学や科学が発達しても人間には答えることのできない理不尽な問いかけがあります。苦しみをすっかり取り去ることはできないんです。にもかかわらず人は苦しみを背負いながら今を穏やかに生きることができるのか。できるんです。それは支えがあるからです。人によって違うんです。(1)将来の夢(2)支えとなる関係(3)選ぶことのできる自由です。闘病の中で支えとなったものはありますか?と聴く。人の存在は弱いものです。でも支えとなる関係が与えられると人間は一転して強くなります。たとえつらくとも逃げないでそばでじっと耳を傾け聴いてくれる人こそ真の援助者なのです。終末期は自立は失います。でも自律は残ります。自分でできなくていいんです。委ねるということができる。その人にどんな支えがあるでしょうか。その支えを応援したいですね。その支えを強めることが援助です。本当の力とは全ての問題を解決できるオールマイティな力ではない。たとえ力になれなくとも逃げないで最期まで向き合えるそんな力こそほしい。それはどこから来るのか?それは自分の弱さ、自分の力のなさを認める、弱さ無力のもつ確かな力が必要なのです。

                             文責:小笠原鉄郎




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遺族の会 ふれあい
ホスピス 110番
仙台ターミナルケアを考える会