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          平成23年度 特別講演

 「こころ豊かに生きるには」 吉崎 泰博 氏


 
 戦後の高度経済成長期には経済的な豊かさが生活の質(QOL)に直結していました。便利な冷蔵庫や洗濯機を手に入れることで生活レベルが格段に向上し、時間的余裕もうまれ、幸福感を味わうことができました。しかし、経済大国となった今日では、ものの豊かさが本当の幸せをもたらすのではないことに気付き、物質の豊かさではなく、こころの豊かさが求められるようになりました。

 こころの豊かさを実現するには自分でそれなりの努力をしなければなりません。その努力をわかりやすく7種類の階段にたとえてお話します。全部の階段を登る必要はありませんが、最初の基本的な階段だけは必ず登らなければなりません。

 その基本的階段は「感謝の階段」です。私たちが生きているのは自分の力ではなく自然の恵みや社会の恵みにより生かされているのですから、そのことに感謝しなければなりません。自分の力で生まれたわけではなく、自分の生存に必要な空気や気温を自分で準備したわけではなく、自分が寝ている間に自分の意思で心臓を動かし続けているわけでもなく、自分が食べたものを自分の力で消化し、エネルギーに変換しているわけでもありません。自分はまったく無力なのに、両親に産み育ててもらい、身体に備わった自然の力によって今生かされているのだという事実をしっかり認識して、そのことに深く感謝することが、豊かなこころを手に入れるための出発点なのです。

 「ゆとりの階段」もこころの豊かさに貢献します。一点豪華主義という言葉がありますが、衣食住のどこかで少しだけ贅沢することでこころに余裕がうまれます。「工夫の階段」ではいろいろと工夫し生活を改善すると深い喜びが得られます。「趣味の階段」を楽しく登ることでこころの豊かさを実感したことは誰にでもあると思います。

 人は死んでも魂は生き続けます。死後まで続くこころの豊かさが手に入る階段は、「求道の階段」、こころをつなぐ「愛の階段」、神仏とつながる「信仰の階段」です。私は学問の研究者として自分の信仰に科学的な裏づけを求めていましたが、最近の量子論や宇宙物理学の進展の結果、聖書の奇跡が科学的にも容易に説明できるようになりました。科学技術の進歩が私の信仰を科学的に正当化してくれたのです。

 こころの豊かさを手に入れるには、まず「感謝の階段」を登る必要があります。自分が生かされている事実に目覚め、感謝することを出発点にして、いろいろな階段を自分の好みにあわせて登っていただきたいと願っています。




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遺族の会 ふれあい
ホスピス 110番
仙台ターミナルケアを考える会