巻 頭 言

   
  「平均寿命と死生観」
           会長 吉永 馨

  

   2千年前の人の平均寿命は20歳に満たなかったと推定されています。その
   時代、人々は生命をどう考えていたでしょうか。頼りないもの、はかないもの、
   無常なものと考えるほかはなかったでしよう。そして、寿命は人間の力の及ば
   ないところ、神佛の領域と感じたに違いありません。

    アジアでは仏教の無常観が支配的でした。戦前までの日本は、儒教的な道徳
   観と、仏教的な無常観とが支配的でした。人々は生命の頼りなさと死別の悲し
   みに直面していました。生命に対する愛惜の念が強かったと思います。

    平均寿命が80歳を越えた今はどうでしょう。昔は、60歳の還暦でさえ、
   なかなか達成できず、80歳など、夢のまた夢でした。今は誠にめでたい長寿
   と言わなければなりません。しかしそうなると、命の尊重と愛惜の念が希薄に
   なり、あるいは消失しました。生命軽視の風潮が世に満ちました。この風潮が
   良いはずはありません。貴重な精神文化を失い、軽佻に流れていい訳がありま
   せん。

    当会は発足当時から生死を学び、生のかけがえのなさを強調して来ました。
   この貴重な努力を今後も堅持、発展させていかなければならないと思います。

   

                

 
 ◆平成27年度定期総会報告

  
平成26年度事業報告
  平成27年度事業計画
  議事録
  平成27年度役員名簿

 ◆平成27年度特別講演
  「人はどのように死を受け入れるか」
         副会長 海野 道郎 氏

 ◆第134回「生と死」のセミナー
  「終末期の栄養」
             鎌田 由香 氏

 ◆平成27年度セミナー予定

  
 ◆平成26年度青少年のための出前講座
  実施報告 
  聖和学園高校「命と心の授業」
         報告者 事務局 中保良子
 
 ◆聖和学園高校〜「Say‐わ!ブログ」

 ◆シリーズ〜がんは怖くない〜(1)
  「早期発見すればがんは怖くない」
         会 長 吉永 馨 氏

 ◆随想「心に残る母の一言」
             小笠原 義道 氏

 ◆事務局よりお知らせ


        
 
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会報49号  平成27年7月29日発行
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仙台ターミナルケアを考える会