仙台ターミナルケアを考える会は今年で創立30年を迎えた。発足当時はまだ
がん患者の診断治療において伝統的な考えから脱していなかった。がん患者に対
して病名を告知せず、治療は延命一辺倒だった。
そのころ、イギリスから始まったホスピス医療が急速に世界中に波及しつつあ
った。日本でも大阪の淀川キリスト教病院や、浜松の聖霊三方ケ原病院などがこ
れを取り入れてホスピス医療を始めていた。こういう動きに反応して、識者が仙
台でもこれを取り入れようとしたのである。定期的に研修会を開催し、ホスピス
設置を県に要望する署名運動を展開した。その動きに中でスペルマン病院に第一
号が建設され、次いで東北大学、3番目に県立がんセンターに設置され、今では
主要病院や民間の先進的な医療機関に拡大している。
これからは質の進化が最大の課題となろう。当会の研修会のテーマも量よりは質
の方向に向かっている。生と死の学びも、成人から青少年に拡がり、若者にも生命
の尊厳を伝えている。
こうして我々の課題は、次第に変遷しつつ進化していかなければならない。これ
は終わりのない努力である。今後も力を合わせて生と死の理解を深めて行こうでは
ないか。
◆2018年度定期総会報告 ◆設立30周年記念特別講演 「ターミナルケアのこころ 〜支えること、寄り添うこと〜」 淀川キリスト教病院理事長 柏木 哲夫 氏 ◆設立30周年記念祝賀会報告 祝 辞 仙台市長 郡 和子 氏 宮城県知事 村井 嘉浩 氏 地方独立行政法人宮城県立病院機構 理事長 西條 茂 氏 ◆30年の歩みを振り返って ◆会の働きに期待すること 聖和学園高校教諭 上野 貴子 氏 宮城県保健福祉部長 渡辺 達美 氏 |
◆出前講座で学んだこと、期待すること 名取市立みどり台中学校校長 齊 隆 氏 名取市教育委員長 武田 堆雄 氏 ◆会報紙上セミナー シリーズ「生と死を考える」(1) 会 長 吉永 馨 シリーズ「看取ること」(1) 副会長 嶋田 順好 ◆事務局よりお知らせ |
※ 会報の詳しい内容をご覧になりたい場合は、仙台ターミナルケアを考える会事務局に お問合せ下さい。 |