日時:2011年12月6時、午前10時〜12時
場所:シルバーセンタ第1研修室
主催:仙台市健康福祉事業団 介護研修室
講師:吉永 馨
演題:終末期の医学知識
出席者:一般市民、およそ120名
目的:誰でも迎え死について学び、自分の死に備え、人の死にどう対応するかを
考える。そのようなことを目的に講演した。スライドを用いた。
内容:@日本は世界一の長寿国。老人が多く、介護を要する人も増えた。市民が
皆で協力して助け合い、支え合い、長寿社会をエンジョイしよう。
A急死(いわゆるピンピンコロリ)は決していい死に方ではない。ガン死も、
あとの始末ができるから悪いとは限らない。長患いも忌避すべきではな
い。結局、一長一短である。
B臨死体験:死んだようになったが、生き返った人の話。決して苦しくは
ない。むしろ平安、安楽。この世に戻りたくないという心境になる。戻
った後は死を怖れなくなる。
Cガン患者の心理:否認、怒り、取引、うつ、受容という5段階を経るこ
とが多い。ホスピス(病院、在宅)は心身の苦痛を取り去ることを目的と
する。最近は在宅ホスピスも普及してきた。
D認知症は脳の老化によるもの(アルツハイマー)と脳卒中によるものがあ
る。
E脳死は全脳死で、回復しない。臓器移植の対象となる。植物人間は呼吸
中枢が生き残っていて、自発呼吸がある。世話すれば長く生きる。臓器
移植の対象とならない。
F胃瘻などの栄養補給をすると、意識が無くても(植物人間でも)長く生き
る。尊厳死協会では、植物状態が3か月以上続き、回復の見込みがない
時は治療をやめると主張しているが、止めるのは心理的負担が多く、ジ
レンマ状態にある。
G看取りの場所は昔は自宅だった。戦後は病院になり、最近また自宅や介
護施設での看取りが見直されている。
H死を学ぼう。生を知り、よりよく生きるために。
質疑応答:講演の後、30分の質疑応答があり、活発だった。この問題に関する
関心の深さが示された。