藤沢町は岩手県南端にあり、宮城県と接している人口一万人足らずの過疎地です。
県立病院が廃院になってから20年以上にわたり、病院のない町で した。町民の
多くが町外で死亡している現状に、当時の町長は職場がなく、若者に見捨てられた
町が死亡する場所がなく、高齢者にも見捨てられると危 機感を抱き、町立病院創
設を計画し、佐藤先生に院長就任を要請しました。1年間の準備期間の後、平成
5年に藤沢町民病院として開業しました。
過疎地の公立病院は経営的にも苦しく、閉院する病院もあります。財政面でも
先進的な医療機器を充実させるのは困難で、医師など医療従事者の確保 も困難に
なっている今日、人材を育て上げ、医療設備を充実させ、経営面でも良好な病院
運営を続けています。
過疎地の病院でありながら、研修を希望する若い医師は後を絶たず、大病院で
の修練の後に藤沢町に戻ってくる医師もいます。
病気の時だけ関わる医療ではなく、初診から看取りまで診るのは当然で、患者
を歴史的な存在と捉え、過去から未来にかけて考えるようにしていま す。住民が
病気にならないように健康増進の面にも力を入れ、自立困難な住民のためには介
護面でもサポートしています。
医療を充実させるだけでなく、住民との交流の場を設けることでも、工夫を重
ねています。住民と医療スタッフが医療につて話し合うナイトスクール などを通
し、望ましい死についてもタブー視しないで語り合えるようになりました。研修
医と住民との意見交換会や介護者の会も作っています。その他 に糖尿病、認知症、
嚥下障害などについての研究会なども主催しています。